今回、傷んだ葺き土は可能な限り取り除きました。しかし、今回は下地として新しい葺き土は使用しません。
葺き土よりも防水性、耐久性にすぐれた新素材を採用するからです。それが、「なんばん漆喰(しっくい)」です。
なんばん漆喰は、通常の漆喰に「シリコン」「油脂」「防水材」等を混ぜ込んだ建材で、「素材自体が雨水を弾く」という性質をもちます。
また、硬化することでセメントのような強度も発揮する耐久性にも非常に優れた素材です。なんばん漆喰を瓦下地として使用することで、瓦屋根の下地自体を丈夫に仕上げられます。
以前の棟
・葺き土⇒棟瓦⇒棟と屋根面の隙間に雨水防止のための漆喰を施工(内部の葺き土が濡れないよう漆喰で蓋をしていたため経年によって漆喰が剥がれるリスクがある)
新しい棟
・なんばん漆喰⇒棟瓦(一発仕上げのため、防水性・耐久性に非常にすぐれる)